ブランド成長のために無視できないプラットフォームであるAmazon。そのAmazonで売上を上げるにはいくつかのコツがあります。特に大きな影響を与えるのがAmazonスポンサー広告というAmazon内の検索連動型の広告です。検索KWに対して広告を配信するといった大枠の仕組みはGoogle、Yahooの検索連動広告(リスティング)と変わりませんが、大きな違いがいくつかあります。この違いについては、以前別のエントリーで解説しておりますので、ご興味がありましたらご覧ください。
さて、本日はAmazonで売上を上げるために実施することを解説いたしますので、参考にしていただければ幸いです、
目次:Amazonスポンサー広告の役割とは?Amazonで売上を上げるために実施することを解説。
1.商品詳細ページの作りこみ
商品の出品が完了したのち、最初に取り組むアクションが商品詳細ページの作りこみです。
AmazonなどのECモールはGoogle、Yahooと異なり購入意欲が強いユーザーが検索行動を行い、商品詳細ページを見ながら比較検討していきます。なかには、商品を決め打ちで購入しに来て商品詳細ページへ訪問するケースもあります。そのような状況で商品詳細ページが魅力的でないとどのようなことが起きるでしょうか?
1-a.購入意欲が高いユーザーを逃さない
Amazonで購買する際、大体以下のステップを踏んできます。
Amazonへ訪問 → 検索窓で検索 → 商品が検索される → あなたのブランドの商品をクリック → 商品詳細ページへ訪問 → カートに入れる → 購入
商品詳細ページに訪問したタイミングで購入を検討、もしくは競合ブランドとあなたのブランドの商品を比較してどちらかを購入しようとしているユーザーという可能性が高いです。
そんな中、商品詳細ページの魅力がないとせっかくに購入間近の顧客を逃してしまうだけでなく、商品詳細ページが魅力的な競合ブランドへ逃がしてしまうという最悪な事象が起きてしまいます。Amazonの購買導線を考えた場合、商品詳細ページはまさしくクロージングの場であり、ここのでき次第で売上が大きく変わってくるのです。
1-b.広告施策の効果を最大化させる
Amazonでは広告施策、とくにスポンサー広告はでき次第でブランドの売上成長に大きな差が出てくるほど重要な打ち手です。スポンサー広告でAmazon内の掲載枠を獲得し、購入意欲が高いユーザーを商品詳細ページに連れてくることができます。ただ、どうでしょうか?せっかく商品詳細ページへの流入を増やしたところで、商品詳細ページで離脱してしまうと全く意味のない施策になってしまいます。イメージとしては、せっかく水(ユーザー)をバケツ(商品詳細ページ)へ連れてきても、バケツ自体に穴が開いていて水が漏れてしまう、という現象です。連れてきた水をしっかりと溜めるには、まずはバケツの穴を防ぐ必要があります。LPO界隈でよく例えられる言い方ですが、Amazonでは商品詳細ページの重要性がよくイメージできる例えだと思います。
1-c.オーガニック掲載への影響
商品詳細ページは広告への影響だけではなく、オーガニック掲載へも影響します。いわゆるSEOです。AmazonのSEOは「検索されるKWに対して、売れると判断される商品」の掲載位置を優遇します。Amazonは広告以上にオーガニックでの売上がブランド成長に大きく左右するためAmazonSEOのアルゴリズムの理解は避けては通れません。具体的なロジックについては2-c.にて解説します。
2.掲載位置の確保
商品詳細ページがしっかりつくりこまれ、訪問ユーザーへしっかりと商品の魅力が伝えられるようになったらいよいよ流入数を増加していくタイミングです。最もわかりやすいのは広告による流入数増加ですが、実は広告で流入数を増加することがオーガニックの掲載枠が優遇されることにつながるのです。まずは、広告とオーガニックの掲載枠の違いを見てみましょう。
2-a.掲載枠は広告とオーガニックの2種類ある
よく見てみるとわかりますが、広告枠は「スポンサー」と書いてあります。この「スポンサー」と記載されている枠はスポンサー広告を実施することで獲得することができます。広告枠は非常にCTRが高い箇所に配置されており、この枠をとることでDPへの流入に伴い、Amazon内の認知獲得にも期待ができます。ただし、人気のKWは競合も入札しているため、CPCが高騰し費用対効果であるROASが悪くなる可能性がありますので注意しましょう。
2-b.広告での掲載枠獲得
Amazonスポンサー広告はGoogleやYahooと同様、入札が行われ、落札した広告が掲載されます。単純に考えるとより高いCPCで入札したらいいのですが、ものごとはそんなに単純ではありません。Amazonはビッティング方式としてセカンドプライスオークションを採用しているため、理屈上は競合以上の入札をしていれば、2番目の入札額+1円で広告が配信されます。ただ、「入札CPC」だけでなく「CTR」と「商品詳細ページのスコア」も関係してきます。商品詳細ページのスコアは確認することができないので、入札CPCとCTRで説明します。
GoogleやYahooもそうですが、広告のプラットフォームは「自社が儲かる」広告や商品を優遇します。入札CPCが高い商品がいい掲載枠を獲得できるのはまさにこのロジックが働くからですが、リスティングはクリック課金です。いくら入札が高くてもクリックされなければAmazonの広告収益は低いです。一方、少しCPCが低くてもCTRが高ければクリック数が増え、クリック課金だと広告費が発生するためAmazonの広告収益が高まります。
このように「どのようにプラットフォームが儲かるのか?」を考えてみると、落札のロジックが見えてきますよね。
Amazonの場合はさらに商品詳細ページのスコアが高ければ注文数が増加するという点も含めて落札されます。
つまり、「よりCTRが高い画像やテキスト」を準備しCTRを高め、「商品詳細ページを充実させて注文を取りやすく」することで「売れる商品」と判断されるためさらに広告の落札にも好影響を及ぼしてくるのです。
2-c.オーガニックでの掲載枠獲得方法
先述の1-c.にてAmazonのSEOは「検索されるKWに対して、売れると判断される商品」の掲載位置を優遇すると述べました。ではAmazonはなにをもとに売れると判断するのでしょうか?
(1) 検索KWと商品詳細ページの関連性
(2) 商品詳細ページへの訪問数
(3) 注文数
大枠、上記3つがオーガニック掲載へ重要と言われております。(1)はGoogleやYahooとイメージは変わらず、検索KWと商品詳細ページの関連性が高いことでCVRが高くなるため、売れると判断されるということです。
次に(2)ですが、Amazonではここが最重要なポイントとなります。商品詳細ページへ訪問したユーザーにはレコメンド機能やメールなどで、Amazonが自動でユーザーへおすすめする機能が働くため、接触頻度が圧倒的に増加します。また、どのKWからの訪問でもいいというわけではなく、掲載枠を獲得したいKWからの商品詳細ページ訪問数を高める必要があります。KWごとにオーガニック掲載位置が変わるのもそのためです。
次に(3)ですが、こちらは購入実績となるため売れると判断されるというより、売れている実績ですが、ここで重要なポイントが一つ。重要指標は「注文数」のため、「購入数」ではないという点です。極端な話をするのであれば、一度の注文で10個購入されるより、1個購入される注文が二回あるほうが、SEO的には優位という異なります。つまり、より多くのユーザーに買ってもらう必要があるということです。
いかがだったでしょうか?本日は商品詳細ページの重要性を中心に、Amazonで売上を上げるために必要な打ち手について解説しました。本エントリーが、貴社ブランドの売上成長のヒントになれば幸いです。
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