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どちらが優先?スポンサープロダクトとスポンサーブランドを比較。

更新日:2023年10月30日


 

Amazonスポンサー広告には大きく「スポンサープロダクト」「スポンサーブランド」「スポンサーディスプレイ」の3つに分けられます。中段箇所に掲載される「スポンサーブランドビデオ」というメニューもありますが、大きくは3つと考えましょう。Amazonで売上を上げていくにあたって、ありとあらゆる導線から商品詳細ページへの誘導を高めるべきなので、理想はすべてのメニューを実施することが推奨されるでしょう。ただ、予算の問題や目的、効率の観点ですべてのメニューの実施が難しいことがほとんどです。


となると、「スポンサープロダクト」「スポンサーブランド」「スポンサーディスプレイ」の実施すべき優先順位を決める必要が出てきます。今回のエントリーは著者の経験に基づいてどのメニューを優先的に実施すべきか?を複数の視点から考えてみます。


目次:どちらが優先?スポンサープロダクトとスポンサーブランドを比較。


1.スポンサープロダクト&スポンサーブランドとスポンサーディスプレイの違い

2.スポンサープロダクトとスポンサーブランドを比較

  a.始めやすさで比較

  b.視認性で比較

  c.配信量で比較

  d.効率で比較

 

1.スポンサープロダクト&スポンサーブランドとスポンサーディスプレイの違い

結論から言うと、著者はスポンサーディスプレイの優先度は低いと考えてます。理由は以下のとおりです。


❶掲載面の視認性

❷ターゲティング内容

❸効率


❶掲載面の視認性

まずは視認性の観点からです。スポンサープロダクトとスポンサーブランドは検索面の上部を中心に、商品詳細ページなど複数の配信面で配信されます。特に重要なのが検索結果面の上部に掲載枠があること、検索結果面でも複数掲載枠があることの二点です。特にスマートフォンのアプリでは視認性の高さが際立ちます。一方、スポンサーディスプレイはPCでは検索結果面の左側や最上部にも掲載されるケースもありますが、商品詳細ページやAmazon外での配信も多く、バナー自体も小さいサイズになるためスポンサープロダクトやスポンサーブランドと比較すると、視認性で劣ります。





❷ターゲティング内容

次にターゲティング内容ですが、スポンサープロダクトとスポンサーブランドは検索KWに対して広告配信が行われます。要するに、ニーズ(=検索KW)に対してほぼリアルタイムで広告が配信されるということになります。一方、スポンサーディスプレイはコンテキストターゲティングとオーディエンスの2パターンの設定となります。コンテキストターゲティングは選択した商品やカテゴリー、類似商品にアクセスしたユーザーへ広告配信という機能で、要するに「設定したカテゴリーや商品に近しいとAmazonが判断した場合に配信」となります。オーディエンスはAmazonで分類されているカテゴリーに属するユーザーと判断された際に配信されます。


Amazonは検索して購入するプラットフォームです。まずは「獲得したい検索KWに対して広告を配信する」という点を重視する必要があると著者は考えてます。


❸効率

効率を仮にROASと考えた場合、著者の経験上やはりスポンサープロダクトとスポンサーブランドを優先するべきという考えは変わりません。この効率は❶❷の結果であり、当然と言えば当然でしょう。スポンサーディスプレイについては、しっかりと役割を持たせる必要があります。例えば指名ワードやカテゴリーワードはスポンサープロダクトとスポンサーブランドで検索結果画面の棚をとり、競合リプレイスの役割、もしくは自社商品のアップセルのため、商品をターゲティングして商品詳細ページへの露出を行うなどです。

 

2.スポンサープロダクトとスポンサーブランドを比較

では、スポンサープロダクトとスポンサーブランドはどちらを優先にするべきか?については、目的によって異なります。今回は「始めやすさ」「視認性」「配信量」「効率」でどちらの方が優先か?を勝敗といった形で書いていきます。あくまで著者の経験に基づく意見となるため、参考までにご覧ください。

 

2-a.始めやすさで比較

スポンサープロダクトの勝ち!


まず、スポンサーブランドを実施する際に最低限必要なものは「バナー」「テキスト」「設定するターゲティング内容」となり、素材を準備したのち設定が必要となります。本来は「バナー」がなくても配信自体はできますが、視認性が大きく劣化するため、スポンサーぶブランドを実施する際は、「バナー」の準備が必須です。


一方スポンサープロダクトを実施する際に最低限必要なものは、、、特にありません!広告配信で必ず必要なものは「クリエイティブ」と「ターゲティング」ですがどちらも不要です。強いて言うのであれば、広告設定する商品の選定は必要ですが、これはスポンサープロダクトに限ったことではありません。


クリエイティブはすでに出品済みの商品画像とテキストが自動的に配信されます。ターゲティングについては、Amazonが自動的に作成するAutoターゲティングの機能があります。このAutoターゲティングは広告配信対象の商品が売れるであろうKWをAmazonが自動的に作成して配信してくれるとてもやさしい機能です。ただし、指名KWに寄るため本格的に運用する際には実施有無や運用方法について再考する必要がありますが、まずは開始するというフェーズであれば十分機能します。


よって始めやすさで比較する際はスポンサープロダクトの勝ち!

 

2-b.視認性で比較

スポンサーブランドの勝ち!


次に視認性で比較してみましょう。最も利用されるデバイスであるスマートフォンで比較しましょう。これは実際に見たほうがわかりやすいでしょう。

青枠がスポンサーブランドで緑の枠がスポンサープロダクトです。掲載面はここだけではありませんが、最も視認性が高い掲載結果面上部で比較した際一目瞭然、スポンサーブランドの視認性のほうがいいですよね?これは単純な掲載位置もそうですが、商品画像以外でも表現できるという点と、商品名以外のテキストでも表現できる点が大きいです。さらに商品も3点まで掲載することができます。セール対象商品だと「タイムセール」「特選タイムセール」の表示がされるため、さらにスポンサーブランドの視認性が高まります。


ただし注意するべき点があります。スポンサーブランドは最上部を獲得できないと、一気に視認性が落ちるという点です。Amazonは2ページ目以降に移動するユーザーが30%ほどと言われるため、基本は1ページ目への表示がマストとなります。スポンサーブランドで1ページ目の掲載枠は最上部と最下部となりますが、入札で勝たないと最上部の獲得ができません。特定のKWに対しては、しっかりと入札にかつ準備をする必要があります。


注意点はありますが、しっかりと入札に勝てることを前提に、視認性ではスポンサーブランドの勝ち!

 

2-c.配信量で比較

スポンサープロダクトの勝ち!


複数の商品の掲載で、特定のKWの配信量を伸ばしたい!という場合はスポンサープロダクトのほうがインプレッションが多いでしょう。これは掲載枠の数によります。例えば、PCの画面で特定のKWを検索してみると、検索結果画面だけ見るとスポンサーブランドは最上部と最下部の2か所(スポンサーブランドビデオを含むと3か所)ですが、スポンサープロダクトは15か所以上あります。これは言い換えれば、掲載枠を獲得しやすく、複数商品を1ページ目に掲載するチャンスが多いということになります。そのチャンスに伴い、配信量を伸ばしやすいというのはスポンサープロダクトになります。また、商品詳細ページにも複数商品が掲載できる仕組みになっており、より配信量を伸ばすことが可能です。


よって、配信量で比較するとスポンサープロダクトの勝ち!

 

2-d.効率で比較

引き分け!


これは正直実施してみないとわかりませんし、KWや入札の方針によって変わるため一概には判断しにくいです。とはいえ、効率での比較は必要なため、「ビッグワードでの比較」「スポンサーブランドとスポンサープロダクトどちらも上部掲載を獲得しに行った際の比較」として、著者の経験をお話いたします。


まず、効率をROASをした場合、ROASはCPC&CVR&注文単価の要素で変動します。そのうち注文単価は変わらず、CVRは若干スポンサープロダクトのほうが高いですが、大きな変化はありません。変動するのがCPCです。


CPCは特定のKWに入札した競合も含めたアカウント(キャンペーン)の中で、もっともCPC×CTR×DPスコアが高いキャンペーンの商品が掲載されます。上部に関しては、スポンサープロダクトはスマホでは2枠、PCでは4枠と比較し、スポンサーブランドは1枠となり入札激化によってCPCが高騰しやすい仕組みとなっております。ただし、入札する競合自体がスポンサープロダクトのほうが多い傾向があるためKWによってはスポンサープロダクトのほうがCPCが高騰するケースもあります。


つまり、やってみないとわからないというのが本音です。ただそれだけだと情報として薄いため、著者の経験から一点注意事項をお伝えします。それは、掲載を始めて14~30日間は我慢して配信を継続するという点です。著者の顧客では、ビッグワードでスポンサーブランドを配信する際、特定の競合が掲載枠を独占していたため、枠をとるためには入札額を上げる必要があり、スポンサープロダクトの倍以上のCPCになってました。そのため、配信は限定的に行っていたのですが、ビッグセール前に新規CRを投入し継続して配信を行ってみました。




ビッグワードに対しての掲載結果です。棒グラフがCPCで線グラフが検索結果上部のIS、つまりCPCと検索結果最上部のインプレッションシェア相関です。7月13日以降はプライムデー後なので一部掲載をストップしてました。見てもらえるとわかる通り以前は非常に高いタイミングもあったのですが、現在ではCPCは6分の1程度に収まりつつ、上部のインプレッションシェアが獲得できている理想的な状態になってます。もちろん競合の入札額に左右されるため必ずしもこのようにうまくいくかわかりませんが、この結果はAmazonのアルゴリズムが関係してます。


まずプライムデー前の7月5日から新しいクリエイティブを投入してます。この新しいクリエイティブが非常によくワークし、現在の結果につながっているため、クリエイティブによって結果が大きく変わるという点がわかります。次に、明確化されておりませんが、14~30日のCTRの結果を反映してビッティングが起きるというアルゴリズムです。実際、新CRの配信直後の5日から12日はまだCPCが高い状況ですが、徐々に収まってきており8月25日ころにはかなり安いCPCで運用ができていることがわかります。


1週間ほどで判断するのではなく、最低でも14日、理想は30日は見たうえで効果の良いクリエイティブか、効果の良いメニューなのかを判断することをお勧めします。


とうことで、効率面では実施してみないとわからないため引き分け!

 

いかがだったでしょうか?今後もナレッジや知見はできる範囲でお見せできればと考えております。

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