Amazonで売上を上げるために絶対に外せない最重要なポイントは年2-3回実施されるビッグセールです。そのうちの一つである「プライムデー」がいよいよ目前に迫ってきております。本記事を執筆している6月6日現在、プライムデーの日程は決まっておりませんし、実施自体も確定ではありませんがほぼ確実に実施されるものと考えております。
過去の傾向から、7月に実施される可能性が高いプライムデー。本記事では24年のプライムデーの予想と今からできる準備について考えていきます。
目次:24年のプライムデーは?プライムデー対策としてのスポンサー広告活用を考える。
1.24年のプライムデーはいつ?
前述の通り、本記事執筆の6月6日時点では日程は決まってません。ただ、過去の傾向を見るとおのずと実施タイミングの目途がついてきます。
過去5年のプライムデー実施日をまとめました。2020年は新型コロナウイルスの影響で10月、2021年は東京オリンピックの影響で6月開催となりましたが、通常は7月に開催されてます。そのため、24年も7月に開催される可能性が非常に高いでしょう。
さらに日程を考えると、「11-15日の間」かつ「月曜もしくは火曜」に2日間開催されております。ここから、24年のプライムデーは7月15日もしくは16日から2日間で開催されると予測しております。
また、23年から「先行セール」という形で本セール前からセールがスタートしてます。これは昨年のプライムデー、ブラックフライデーともに実施されており、現在では月単位で実施されるセールでも同様の設計となっております。つまり、Amazonセールのトレンドと言えます。このことから24プライムデーもほぼ確実に「先行セール+本セール」の設計で実施されるでしょう。
23年ではプライムデー、ブラックフライデーともに先行セールは2日間でしたが、24年はさらに日数が増加する可能性があるのではないかと考えております。
では、いつ日程はわかるのでしょうか?23年は本セールが11日開始でしたが、おおよそ3週間前の6月21日にオープンとなりました。
ここから、24年の本セールが7月15日に開始される場合、6月25-27日あたりに開催日程がリリースされると想定しております。ちなみに、昨年は情報リリースされた直後からGoogleで検索量が増加するという動きになっているため、注目度の高さには驚くばかりです。
●まとめ
・24年のプライムデーは7月15(月)-16日(火)、もしくは16(火)-17日(水)の可能性が高い。
・先行セール+本セールの設計で実施されると思われる。
・先行セールは少なくとも2日間、もしくはそれ以上の日数実施されるのではないか。
・セール日程のリリースは3週間ほど前の6月25-27日にリリースされるのではないか。
2.プライムデーでやるべきこと
2-❶.在庫の確保
プライムデーは大きな売上を上げるチャンスです。もちろん自社の商品が属するカテゴリーによって影響度は異なりますが、少なくとも確実に通常期より売上は上がるでしょう。なぜならAmazonに訪問する人が爆発的に伸びるからです。
プライムデーはAmazonにとっても、大きな商機です。そのため日程がリリースされた後はTVCMをはじめとした大規模プロモーションが開始され、ユーザーの注目度や期待値があがっていき、「プライムデーで購入するもの」を探すという行動が行われます。
私が担当しているお客様を例に整理しました。
・特にプライムデーで購入されるケースが多いカテゴリー。
・3~4000円規模の単価の商品
・23年の月ごとの売上を見ると、ビッグセール以外の月と比較し、プライムデーが開催された7月は約200%ほどの売上となった。
Amazonの分析ツールを見ると、23年7月はお茶やミネラルウォーターなどの「飲料」、「プロテイン」、柔軟剤・洗剤などの「日用品」、ビールやチューハイなどの「アルコール飲料」が売れていたようです。その他、トイレットペーパーやオムツなどの売上もよかったと認識しております。
カテゴリーに関わらず売上が伸びるチャンスですが、特に今述べたカテゴリーの販売者については、通常月の1.5~2倍以上在庫を確保しておくことをお勧めします。
2-❷.露出の強化(スポンサー広告)
在庫を準備したらあとは売ることに集中しましょう。Amazonで売るためにはどうしたらいいでしょうか?
まず自社商品の商品ページへユーザーを連れてこないと始まりません。それにはAmazonではどのようにユーザーは行動するのかを理解する必要があります。Amazonでは、70%以上検索行動から自社商品の商品ページへ到達します。
つまり、「Amazonでは検索行動をしたユーザーへどれだけ露出できるのか?」がカギとなります。
検索行動したユーザーへ露出する枠としては「スポンサー広告」「オーガニック」の2種類あります。オーガニックは中期的に取り組む方法となりますので、短期的かつコントロールしやすい「スポンサー広告」で露出を高めることをお勧めいたします。
スポンサー広告のメニューの一つである、スポンサープロダクトは上記の通り3つの掲載枠が存在します。その中で「検索結果ページの上部(最初のページ)」のCTRが圧倒的に高いことがわかります。
スポンサープロダクトの掲載枠調整については、以下の記事で説明しております。
もちろん、その分CPCが高くなりがちですがセール期はCVRも高まるため、商機を逃さないことを優先し、「検索結果ページの上部(最初のページ)」への配信を強化することをお勧めします。ビッグセール時はROASではなく、どれだけ売上のトップラインを伸ばせるか?に主眼を置いたスポンサー広告運用をおすすめします。
2-❸.最重要キーワードを決める
「検索結果ページの上部(最初のページ)」への配信を強化することの重要性は述べましたが、闇雲に入札を強化すると予算が足りなくなります。
そこで、「絶対に検索結果ページの上部(最初のページ)を取り続けるキーワード」を設定しましょう。これは他のキーワードへの配信が弱まったとしても、最優先に配信をするキーワードとなります。
最重要キーワードの条件は以下2点で考えましょう。
条件①:配信ボリュームが見込めること
条件②:自社の商品との親和性が高いこと
そもそも条件①の「配信ボリュームが見込めること」に該当していない場合、配信量が伸びません。これは言い換えれば、「Amazon内でのニーズの量が少ない」ということでどれだけ効率(=ROAS)がよくても売上のトップラインは伸びません。そのため、「配信ボリュームが見込めること」が重要となります。また、スポンサー広告で配信ボリュームが多いキーワードからの商品ページへの誘導を増やすことで、オーガニック検索での掲載位置も獲得する可能性があるため、広告管理画面のROAS以上に貢献度が高いです。
条件①を満たしたとしても、条件②の「自社の商品との親和性が高いこと」を満たしていないと効率が大きく悪化します。まず、スポンサー広告はCTRによって入札額(=CPC)が決定されます。つまり、「自社の商品との親和性が高いこと」が満たされていないと検索ユーザーの興味を惹くことができない→CTRが低い→CPCが高騰→ROAS悪化という悪循環に入ります。広告代理店からはこの条件①②を踏まえ、「ビッグワードへの投資を高める」という提案があると思いますが、その「ビッグワード」が自社商品と親和性が高いかを再度確認してください。
※青字が優先度が高いと考えられるキーワード
条件①②を満たしたキーワードを最重要キーワードとして、予算管理ができる形で設定ができればあとは予算を切らさず、かつ上部掲載箇所に配信ができているかを気にしながら運用ができればOKです。
2-❹.いつから配信強化するのか?
商品の在庫を準備し、スポンサー広告の設計もOK、本来であれば商品詳細ページの整備も重要でそこもしっかりと行った。さぁ、プライムデーが始まったらスポンサー広告を強化しよう!となりますが、私の推奨は遅くとも配信強化する2週間ほど前から配信を強める運用です。
まず、2週間前にはすでにAmazonがTVCMなどの大規模プロモーションを行っており、Amazonへの訪問者が増加していると考えられます。そのタイミングでAmazonに訪問するユーザーは、「急ぎで購入したい」「プライムデー直前ということを知らないで購入する」「プライムデーで買うものを吟味している」とこの3つの理由に分類されます。前述の通り、大規模プロモーションを実施してさらにSNSでも話題になることを考えるとAmazon訪問者で「プライムデー直前ということを知らないで購入する」というユーザーは多くありません。つまり、プライムデーでの購入対象に入るために、直前の露出強める必要があるということです。
また、スポンサー広告は開始直後は配信が出にくい傾向にあります。おおよそ2週間ほどの学習期間を踏まえ、徐々にCPCが適正化していきます。セール開始と同時に配信開始、もしくは強化となると配信が出にくいままセールが終わってしまうという可能性があります。
そのため、遅くとも2週間前には徐々に配信を強化していくようにしましょう。
3.Amazon外の活動について
Amazon内での準備も完璧に進めてまだ余力がある場合は、Amazon外にも目を向けましょう。Amazonは買い場のため、検索するユーザーは購入前提です。購入前提の検索ユーザーに対してスポンサー広告で棚を獲るという打ち手は非常に有効です。ただし、それは「何か買いたいからAmazonで検索したけど、どの商品を購入するか明確に決めていない人」に対してです。
Amazonでの検索ユーザーを「何か買うけどぶブランドや商品は決まっていない」「購入する商品やブランド決めている」と分類した場合、スポンサー広告で有効なターゲットは前者です。スポンサー広告は競合ブランドの検索者をターゲティングして配信することもできますが、Amazonで競合ブランドを検索したユーザーをリプレイスするのは費用対効果が悪すぎます。では、後者のユーザーはどのようにアプローチすればいいのでしょうか?
ここで考えられるのが、Amazon外での認知活動です。Amazon外で自社ブランドや商品を認知してAmazon内での自社指名ユーザーを増やす、もしくは自社ブランドや商品のイメージを持たせてAmazon内でカテゴリーキーワードを検索させて、スポンサー広告で刈り取るという流れです。
上記の図はAmazon外からAmazonで売上を上げるまでの大きな流れです。❶の箇所での活動を強めることで❷の活動、つまりスポンサー広告の効果を上げるという考え方となります。
❶はTVCMやYoutubeなどの認知広告がメインとなりますが、例えばなにかプレスリリースを出して注目度を上げるというのも一つの手です。プライムデー前にAmazon外でノイズアップすることで、自社商品購入のイメージをもった検索行動を少しでも増やして売上増加につながるでしょう。
いかがだったでしょうか?今回は「24年のプライムデーは?プライムデー対策としてのスポンサー広告活用を考える。」について述べていきました。プライムデーはAmazonへ出品しているベンダー、セラーの皆様にとって大きな商機となります。
本記事が、貴社の売上増加に少しでも貢献出来たらうれしく思います。