今や、物販やメーカーにおいて売上を上げるためにはAmazonをはじめとしたECモールの有効的な活用は不可欠ではないでしょうか。自社ECを有している企業も例外ではないと思いますが、自社ECを持っていない場合さらに重要度が増していくはずです。
では、AmazonをはじめとしたECモールで、どのような施策を実施すべきでしょうか?
AmazonなどのECモールでの出品の準備が整った後は、次に実施する施策は自社の商品にユーザーを連れてくる、つまり広告施策となります。
著者は2006年から17年間、デジタル業界に身を置き、特にAmazonをはじめとしたEC広告運用ディレクションを一手に請け負ってきました。
そこで得た知恵や知識からAmazonを中心とする「ECモール広告」のヒントについてご説明してまいります。
「KWの精査」「商品ページの改善」など、よく言われている点ではなく、それ以外を中心にお伝えしますので、Amazonを初めとするECモール広告が初めてとなる方も、すでに実施済みの方も、ECモールの売上を最大化するEC広告のヒントになれば幸いです。
目次:EC売上を最大化するためのEC広告5つのコツ
1.自社に合うECサイトは実施してみなければわからない!
ECモールは様々ありますが、まずはAmazon、楽天、Yahooショッピングへの広告施策検討をお勧めします。この3社は、ECモールの中でも圧倒的な流通量を誇っており、EC売上最大化のためには外せないプラットフォームであるためです。その中でどのECモールが良い(=EC売上最大化)のかは、以下がポイントとなります。
ユーザー層と自社の商品の相性となる。
競合ブランドの掲載(=投資)量
まずは、1の観点で考えます。自社の商品が計画的に購入されるケースが多いようであればAmazonとなり、ポイント利用や比較なども含め、買い物を楽しむユーザーが多いようであれば楽天やYahooショッピング(PayPayモール)となります。
次に、2の観点で考えます。ECモールとしての流通量が多いAmazonで広告施策を実施してみると競合ブランドの広告実施量が多いため、CPCが高騰し効率(=ROAS)が思いのほかあがらないということも出てきます。
実際に著者が担当していたブランドは、業界No.1の売上と認知度を誇っていたためAmazonを中心に広告施策を実施していましたが、情報収集すると業界No.5~10ほどのブランドはあえてAmazonではなくYahooショッピングへ投資を集中していたとケースもあるということもわかってきました。
とはいえ、投資を始めてみないと結果はわからないため、広告予算との相談にはなりますが、まずはAmazon、楽天、Yahooショッピングへ広告施策を検討し、効率を見たうえで追加広告施策及び追加広告予算の優先順位を決定することをおススメします。
2.EC広告は目的ではなく手段である!
ここではEC広告=EC広告内の検索連動広告としてご説明してきます。
まず、EC広告を実施するとROAS(広告費用対効果)を指標に、改善運用を行っていくことなります。改善のポイントはいくつかありますが、当社以外のブログでも解説があるものは割愛致します。
■「広告のROASを高めることは非常に重要」
広告と言う投資に対してのリターンであるためこの指標を高めることは広告で創出する売上が上がっているということになります。そう、あくまで「広告で創出する売上」です。
重要なのはECモールでの売上を最大化することであり、あくまでEC広告は手段と整理する点です。得てして、EC広告を運用する広告代理店は広告ROASのみで判断や改善していくケースも散見できます。
EC広告のROASを一つの目安として判断するのは良いですが、投資や運用がECモール全体の売上に貢献しているか?と言う視点無くして本来的な運用はなされません。ここを広告と言う投資判断の基準に運用を行うことがEC広告を実施するうえで最も重要だと著者は考えています。
●AのECモール:
広告費:¥5,000,000
広告ROAS:500%
広告経由売上:¥25,000,000、
ECモール全体売上:¥50,000,000
●BのECモール:
広告費:¥5,000,000
広告ROAS:400%
広告経由売上:¥20,000,000、
ECモール全体売上:¥60,000,000
この場合、広告投資額は同じで広告ROASはAの方が高く効率的と言えますが、ECモールの広告は配信することでオーガニックの検索位置に影響を及ぼし、広告外の売上獲得にも結び付きます。
上記の場合、広告ROASのみで判断するとAへの広告投資額を増やそうと検討することになりますが、ECモール全体の売上はBのほうが良いということとなります。単月での広告投資では判断できませんが、複数月に渡って広告施策を実施した結果、A・Bそれぞれで上記の数値となった場合は、Bの方が広告投資が全体の売上に貢献していると言えるわけですので、Bへの広告投資を優先すべきという判断になる可能性が高いです。こういったケースも踏まえて広告投資を強化するECモールを判断するなど、目的をECモール全体売上から移動させないことが重要となります。
3.ECサイトそれぞれの特徴をつかむ!
Amazon、楽天、Yahooショッピングにはそれぞれ特徴があります。
Amazonは検索連動広告の中でも表現手法(静止画、動画)がある
楽天は競合他社のブランドワードが買えない(=自社のブランドワードも競合に買われない)
Yahooショッピングは、5のつく日と日曜日にポイント還元率が高まり、購入促進になる。
上記以外にもECモールごとに特徴が異なるため、それぞれを把握し広告運用を行うことが広告効果の向上につながり、最終的にECモール全体売上を上げていくこととなります。
4.EC売上最大化のため広告施策でセールを攻略せよ!
当然と言えば当然ですが、ECモールが行うセールには広告への投資を最大限高めることをおススメします。著者が担当しているブランドではECモールのビッグセール時に商品を出品し広告配信を強化した結果、セール開始直後から驚くべき売上を上げていきました。Amazon、楽天、Yahooショッピング(PayPayモール)にはそれぞれ年間でビッグセールが実施されるため、スケジュールの把握と予算の確保は必須かと思います。
5.ECサイトの担当者から最大限ヒアリングせよ!
一定の投資をしている企業へは各ECモールに担当者がつきます。限界はありますが、この担当者からのヒアリングにより以下がイメージできます。
現在自社が競合と比較しどのようなポジションにいるのか?
競合がどのような施策を実施しているのか?
自社の投資額が足りているのか?
足りない施策はないのか?
もちろん、貢献してくれたECモールの営業担当には広告投資額を増加していくといった形で恩返しすることが必要となるが、ここのポイントを抑えられるか否かで、ECモールへの戦略立案、実行の成否がかかっていると言っても過言ではありません。
今回は5つに分けて、ECモール広告について述べたがいかがでしたでしょうか?今後もECモール広告でEC売上を上げられるヒントをお伝え出来ればと考えております。
Comments